平成28年からいよいよスタート
マイナンバー制度がついに始まりました。住民票を有する全ての人に1つずつ番号を付すことで、社会保障や税金、災害対策などそれぞれを効率的に管理できるようにするために導入された制度です。法人には法人番号というものが割り当てられます。
そして、この制度によって厚生年金や健康保険に入るべきはずが加入していない事業所の存在を明らかにします。社会保険は法人であれば人数を問わず強制加入ですので、入っていなければ違法になります。
未加入事業所の把握に実施された策とは
中小企業にとっては保険料負担をできるだけ避けたいと考えられているため、加入義務があっても加入せずにいるケースもあるようです。そのような未加入事業所を把握するために、登記簿などを活用して進められてはいました。しかし中には休業中の場合や、ペーパーカンパニーも含まれるため効率的な特定に至っていませんでした。
そのため所得税を納めている企業情報を得ることで、そのデータと厚生年金の加入企業のデータを照合し未加入事業所を特定すると言う方法が行われました。所得税を納付しているのに社会保険を支払っていない事業所は約80万社あることがわかり、会社員に換算すると数百万人存在するといわれています。
実際に立入検査も実施されている
このような法人には年金事務所から調査が入るため、実際に立入検査予告通知というものが既に送られているようです。平成27年から徹底的に加入指導が始まっており、社会保険に未加入の場合にはそれなりのペナルティが課せられます。まず追徴と罰金が発生することがペナルティとしてあげられます。年金事務所によって調査が実施され社会保険料2年分を遡って追徴されることになります。
正論でもやりきれない思いもある
これまでの調査に加えて、マイナンバー制度が始まったことにより加入義務があるにもかかわらず社会保険に加入していない事業所はますます発覚していくことになるでしょう。社会保険料を滞納している多くは零細企業と呼ばれる会社です。社会保険料を過去に遡って徴収されることになると、今後の経営を左右する死活問題になりかねないところもあると思います。発覚を機に倒産に追い込まれる会社も多くなるかもしれません。
超高齢化社会への財政不足が原因
超高齢化社会といわれる中で、高齢者の比率は増加する一方です。2050年の65歳以上の割合は4割近くにのぼるといわれているため、社会保険制度の財政はますます厳しくなっていくでしょう。今後も保険料が値上がることも考えられますし、未納者にはさらに厳しいペナルティが課せられることも考えられるでしょう。マイナンバー導入で、保険料の未納や社会保険に未加入の事業所は行政に情報が筒抜けになるため、倒産に追い込まれる会社も出てくることになるでしょう。