経営者の考え方としては、戦略的な思考が重要といわれています。
しかし、経営者が持つべき戦略的な思考というのは具体的にどのようなものであり、また、どういった時に役立つのでしょうか?
ここでは、戦略的思考とは何かについて、具体的に紹介していきたいと思います。
戦略的な思考とはどのようなものか?
それではまず、戦略的な思考について考えてみましょう。
ビジネスにおいて、戦略と聞いてまず思い浮かぶのが経営戦略ですよね。
経営戦略は、経営において中長期にわたる計画、および方針を示したものです。
数年後に目標を定め。そのためにはどういった経営をしていくかということを考えるのが経営戦略です。
そして、定めた目標を達成する為に必要なことは何か、さらに、その目標を達成する為の方法にはどのようなものがあるかなど、段階的に考えていくのが戦略的な思考です。
戦略的な思考を行うためには、逆算思考と俯瞰的な視点が必要となります。
将来的にその目標までたどり着ければいい、と考えるのではなく、目標は達成するものと考えて、そのために必要なものは何か、というのを考えていき、そのためには今何をするべきかを考えるのが逆算思考です。
また、その内容を全体的に考えて、問題点がないかということを様々な角度から検討するためには、俯瞰的な視点が必要となります。
例えば、今やるべきと考えたことが問題ないように思えても、5年後に問題となる可能性もあります。
また、一見無関係なところにも巡り巡って影響を及ぼす可能性もあります。
そういったことを検討するためには、俯瞰的な視点による広い視野が必要となるでしょう。
また、戦略的な思考をする際には、取捨選択も重要となります。
企業の経営では、たとえ経営上有利となりそうな場合でもリスクを考えて行わないという決断をしなければいけない場合もあります。
やるかやらないかの選択を正しく行うためにも、戦略的な思考をしなければいけません。
戦略的な思考をすることは、経営者にとってプラスとなることが多いでしょう。
経営者にとって戦略的な思考はどのように役立つ?
それでは具体的に、戦略的な思考は経営者にとってどのように役立つのでしょうか?
身近な例として、LED電球の導入について考えてみましょう。
LED電球は、従来の電球と比較して長持ちであり、電気代も安くなります。
ただし、その機材自体はかなり高価となります。
今使っている電球の場合、すべての電球で年間の電気代が20,000円、1年ごとに交換が必要で、その電球代が1度につき3,000円かかるとします。
しかしLED電球に交換すると、電球代が全部で50,000円かかるものの、年間の電気代は10,000円となり、10年間使えるとしたらどうなるでしょうか?
まず、電球をそのまま使う場合、その年の電気代と電球代は23,000円となります。
それに対してLED電球に交換した場合は、その年の電気代と電球代が60,000円となり、37,000円のコストアップとなります。
しかし、5年間のコストを考えた場合は、従来の電球の場合は電気代が20,000×5年=100,000円、電球代が3,000×5年=15,000円となるので、合計で115,000円のコストとなります。
LED電球に交換した場合は、電気代が10,000×5年=50,000円、電球は交換不要なので最初の50,000円だけとなるため、合計のコストは100,000円になります。
そしてLED電球は10年間交換しなくていいので、10年のコストで考えると従来の電球が23万円、LED電球は15万円とかなりの違いが生じます。
この場合は戦略的な思考ができれば、最初のコストだけを考えるのではなく、長期的なコストを考えてLED電球を導入することとなるでしょう。
しかし、LED電球を導入するにあたって問題点はないのか、ということを考えることも重要となるのです。
経営者にとっては、その時だけではなく将来的な成長についても考えることが必要となるでしょう。
まとめ
経営者にとって戦略的な思考は重要となります。
目の前にある問題点を解決するだけではなく、将来的に会社が発展していくために必要となることをしっかりと考えられるようになるからです。
ただ目の前にあることを解決していくだけでは、会社の現状維持はできても成長していくことは難しいでしょう。
将来的に会社を成長させるために、今何をするべきかということを考えるためにも、経営者は戦略的な思考を身につけましょう。