近年話題となった書籍の中で、「人生100年時代」というキーワードが提言されて話題となりました。
そして、それに合わせた働き方についても考えられています。
人生100年時代とは具体的にどのような事でしょうか?
また、それに合わせた働き方はどのようになるのでしょうか?
人生100年時代とは?
人生100年時代というのは、ロンドン・ビジネススクールの教授たちが執筆した「ライフ・シフト」という本の中で登場した言葉です。
その意味としては、平均寿命が100年前後にまで伸びてきたときに、これまでとは異なるライフスタイルを国や組織、個人がそれぞれ対処していくべきということです。
この人生100年時代については日本政府も対策を講じており、2017年には「人生100年時代構想推進室」という看板を掲げています。
どういうことを行っているかというと、「自らが主導となって、今後の超高齢化時を迎える日本では、経済・社会システムを今後どのように行うべきかという構想」という説明がされています。
その具体的な内容としては、教育の負担の軽減や無償化、リカレント教育、大学の改革、教育者の採用における多元化といった子供の教育の見直しから始まり、高齢者の雇用なども見直して1億総活躍社会の実現を目指します。
また、それに合わせて待機児童の解消にも力を注いで、働くための環境作りも行っていく事になります。
人生100年時代の働き方とは?
人生100年時代になると、これまでのように人生のステージを分けていては幸せな生活が難しいと考えられています。
これまでであれば、25歳までを教育のための期間、60歳までを仕事の期間としていて、それ以降は定年で引退し、余生を過ごすステージと考えていました。
年齢で区切られているこのステージは一方通行ですが、例えば寿命が80年であれば定年後の期間は20年と想定されているものが、100年であればその内40年が余生となってしまいます。
それではバランスも悪く、様々な問題も生じると考えられるため、人生100年時代においては新たなステージを考える必要があります。
そのステージとしては、自分の生き方を考え、知識やスキルの再取得を行う期間である「Explorer」、フリーランスなど、独立した立場で生産的な活動を行う期間となる「Independent producer」、様々な活動を並行して同時に行うことで人脈や経験を積み重ねていく「Portfolio worker」の3つです。
これらのステージは、必要に応じて自由に行き来することができます。
働いていく中で知識の不足を感じたら学びなおしたり、仕事をする日数を減らしてその分ボランティア活動を始めたりといったことが可能になるのです。
また、そのために必要とされる社会人基礎力にも変化があります。
これから必要とされる社会人基礎力は、何を学ぶのか、どのように学ぶのか、そしてその学んだ内容をどう使うのか、という3つの視点から体験や経験をリフレクションすることで、さらに社会人基礎力の深化を可能としながら自発的にキャリアを開発していく「キャリア自律」を求められるでしょう。
そして、職場で求められる能力としては新しい価値を創出できることとなり、そのためには課題発見力やそのためのアイデア収集能力、そしてその実現のための試行錯誤に取り組み続ける姿勢となります。
人生100年時代となった時には、そうした変化への対応が求められていく事となります。
まとめ
人生100年時代が近づいていると思われる現在は、その準備が必要となります。
教育の在り方や働き方にも変化が生じ、また求められる能力も異なってくるでしょう。
そうした能力を身に着けるため、学び方も変化して働きながらもまた学ぶような姿勢が必要となってくるでしょう。
目まぐるしく変化する社会にあっても対応していくためには、企業も今のうちから様々な事に取り組んでいきたいものです。