増税の影響によって生活が変わったという人も多いでしょう。
必要最低限の買い物をしていても、以前より出費が増えたことにどうしても困惑してしまいますよね。
その一方で、各種サービスが良くなった話はあまり聞きません。
なぜ財務省は増税を勧めたがるのか、今回はその理由が気に迫ってみたいと思います。
誰に対して良い顔をしたいのか?~財務省が注目している相手とは?~
私たちは増税が始まる前に、何回も増えた税収でどのようなことがなされるのか、何に還元されるのかという話を聞いたかと思います。
例えば、保育料が無料になったり、新しい行政サービスが受けられるようになったりすることが挙げられるでしょう。
主な使い道としては、社会福祉の充実に充てるということが言われていましたよね。
増税導入から数か月が経った今、みなさんはどのように感じているでしょうか?
身近な福祉サービスがより良くなったり、住みやすい環境になったりしているでしょうか?
確かに、恩恵を受けられている人もいると思いますが、あまり実感できない、変わらないという人もいますよね。
仮に、自分がサービスの対象でなくても、必要な人にきちんとした支援が届いているならば、ほとんどの人が増税に納得できるでしょう。
ですが、現実的な支援として、大きな変化が見られたわけではありませんので、増えた税収分はどこに行ってしまったのかと疑問に感じるかもしれません。
このように感じるのは、当然です。
なぜなら、税制度を整備している財務省は、私たち一般市民に対しての税収還元を目的として取り組んでいないからです。
では、一体誰に恩恵があるのでしょうか?
それは、一定数の”富裕層の人”や”大企業”に対してです。
このような人たちも、同じように消費税等の税を納付していますが、みなさんと違う点が一つあるのです。
それは、みなさんも利用したことがあるであろう、税控除の範囲です。
実は、現在の税制度は、貧しい層よりも富裕層の方が優遇されやすいということをご存知でしょうか?
例えば、所得税は累進課税という仕組みを導入していますから、お金持ちの人ほど納付する額が多くなると聞きますよね。
そのような話を聞くと、富裕層の方の負担が大きいと思うでしょう。
ですが、現実は違います。
制度の理論上は間違いないのですが、複数の控除を設けていますので、これらを駆使するとぐんと納付額を押さえることができるのです。
できる限りの控除を行うと、本来納付する額より少なくできますから、富裕層にとってはメリットばかりの制度になるでしょう。
これは大企業にとっても同じことが言えますから、お金がある人や企業ほど、得する仕組みになっていると言えるかもしれません。
単純な話、富裕層や大企業に好かれることは、財務省にとって悪くないですよね。
例えば、公的な場面で、何らかの制度を導入したいと思った場合を考えてみて下さい。
大多数の一般市民を納得させて導入することは、結構な労力と時間がかかってしまうことが予想できるでしょう。
その一方で、普段から恩を売っている富裕層や大企業を相手に考えてみて下さい。
税控除という点で恩恵を受けている分、率先して賛成し、行動してくれそうな感じがしますよね。
様々な政策を進めていく上でも、このような立場の人たちを味方につけておくと、とても心強いです。
何といっても、大きな資金力がありますから、その影響力は大きいでしょう。
ところで、本来納付すべき税額の不足分は、どうやって賄うのでしょうか?
何も対策をしなければ、十分な税収は得られませんよね。
不足分は、増税を行った分で回収しようとしますから、一般市民の負担だけがどんどん重くなってしまいます。
富裕層や大企業に良い顔をしたいという思惑から、増税が進められている一面があると言ってもいいでしょう。
このような現状に、みなさんは何を思いますか?
不足分の穴埋め対策の結果、財務省の一番のメリットとは?
財務省が良い顔をするのは、政治の現状で融通が利くからということだけではありません。
その先に、一番のメリットがあるのです。
それは、財務省の官僚の退職に関わる時になるのですが、官僚の出世や退職システムは民間と違っていることをご存知でしょうか?
一般的な企業の場合は、一定の年齢が来ると退職するという形になりますよね。
ですが、官僚の世界は定年退職という概念はあまりありません。
官僚の、特に上位層になると、その役職に就ける人は限られてきます。
そのため、一定の年齢になるとこの役職に辿り着けるという確約はありませんから、本人の実力次第と言うところがあるのです。
つまり、一般の企業ではまだ働いているような年齢の人でも、業界の性質上、途中で退職をするということはよくある話なのですね。
ところで、早期退職の形を取った場合、その後の生活がどうなるのか気になりませんか?
特に家庭がある人は、生活のために働かなければならないことがほとんどですよね。
このような経緯で退職した官僚は、次の仕事先をどうするのでしょうか?
実は、次の行き先が決まっていることがほとんどですから、そもそも今後をどうしようと考える必要はありません。
所謂、”天下り先”がきちんとあるのです。
ここで、みなさんの中に「天下りには規制が設けられたのでは?」と思う人もいるでしょう。
その通りです。
規制が設けられていますから、好き勝手に行うことはできません。
ですが、どのような制度や法律であっても、抜け穴を探そうとしてしまいます。
天下り規制にも、本来はあってはならないですが、抜け穴がたくさんあるのです。
そのため、規制がされていても、次の行き先を見つけることができる人がたくさんいると言っていいでしょう。
そして、次の行き先となる場所は、主に大企業になります。
例えば、大企業の役員だったり、子会社の社長に就任したりという話は、意外とありふれた話かもしれません。
官僚たちにとっては、次の行き先の候補になる大企業が多くあればあるほど、選択肢が広がりますよね。
つまり、協力関係を事前に築いておけば、いざという時の行き先が見つかり、その交渉もしやすいことが分かるでしょう。
これらの話をすべて聞くと、互いにとって利益のある話になりますよね。
ですので、国民の生活や社会保障サービスの充実を目的として始められたとしても、実益は私たちに来ることはありません。
どのような人でも、老後の生活に限らず、現在の生活に至るまで様々な不安を抱えています。
本来ならば、すべての国民が安心して暮らせるような社会環境を整えることが、政府の役割になりますよね。
特に税金は、生活に直結する内容になりますから、どのような使われ方がされるのかは重要になるでしょう。
理論的に考えると、税収が増えた分、必要なサービスに充てられ、その結果生活全体も向上していきます。
ですが、一部の人間の利益に執着するあまり、税金の本来の役割が果たせていない側面も、現状としてあるのです。
表立って騒がれる話でないかもしれませんが、増税の裏にはこのような財務省の隠れた意図があるのです。
一見メリットのあるような話でも、必ず裏の事情がありますから、出てきた情報をそのまま鵜呑みにしないようにしたいですね。
参考URL MAG2NEWS
(https://www.mag2.com/p/news/400450/3)
まとめ
今回は、財務省が増税を勧める理由について、解説しました。
増税は、基本的に私たちの生活を豊かにする、手助けするために行われる政策と言われますが、現状は違いますよね。
財務省は、自分たちの利益を守るために、国民でなく富裕層や大企業に恩を売ろうとしていますから、そもそも実感が得られないのは当然なのです。
本当に必要な増税、制度なのかを、私たちはきちんと理解した上で判断しなければいけないかもしれませんね。