先月、世界では大きなニュースがありました。
それは、EUからイギリスが離脱することが確定され、離脱の準備が進められているとのことで、ご存知の方も多いですよね。
私たち日本からは離れた地域ですが、今後の動きによって何か変化はあるのでしょうか?
本記事では、これからの世界の動きについて解説します。
離脱によるEU内での影響はどうなの?
みなさんの中には、ヨーロッパの国の中でも経済状態がどうなっているのか、イマイチピンと来ない人もいますよね。
イギリスが離脱したというニュースを聞いても、集団とそりが合わないから離脱するのかと思っている人もいるかもしれません。
しかし、ここまで離脱に関する問題が大きくなったのには、イギリスのEU内における影響力が高いためだと言えます。
ちなみに、どのような影響力があるのかを知っているでしょうか?
まずは、EU内での利協力を踏まえて、今後の変化に触れたいと思います。
・EU内におけるイギリスの立ち位置とは?
みなさんは、世界中の国の中で経済状態が良い国と聞くと、どの国を思い浮かべますか?
例えば、最近だと中国、またアメリカをイメージするでしょう。
実は、世界的に見ると、イギリスもアメリカ・ドイツに次ぐほどの経済基盤を持っている国になります。
EUの代表国と聞くと、やはりドイツを思い浮かべる人もいると思いますが、経済基盤の大方を一緒に支えていれるのはイギリスの存在が大きいでしょう。
イギリスは、国の特徴から言うと、金融関係のネットワークに強い国と言われています。
ですので、金融関係に強固な基盤のある国が加盟してくれると、EUとしても経済的な心配が少なくなりますよね。
そのため、離脱してしまうと、大きな基盤を失ってしまうことから、現加盟国の経済状態への不安が募っているでしょう。
様々な場面において、過去加盟国との議論を進めていましたが、やはりその抜けた後の影響は大きいようです。
どのようにして経済的ダメージを少なくするのかが、目下EU全体の目標になるでしょう。
・EUと他の大国との差
ところで、そもそもみなさんはEUがなぜ成立したのかを覚えていますか?
簡単に言うと、ヨーロッパ内の平和を維持するために造られた組織になります。
特に、冷戦時代では、大国となっていたアメリカ、ロシアへの対抗としても、同じ目的意識を持った国が団結することが求められていたと言えるでしょう。
その際に、ヨーロッパ内でも大国に位置するイギリスが加盟していることは、少なからず政治的な面での影響力を意図していたことが伺えますよね。
現代社会においても、その影響力は欠かせませんでした。
しかし、離脱するとそうはいきません。
イギリスは独自に影響力を持てるかもしれませんが、その他の国ではどうでしょうか?
確かに、政治的な発言力がある国もありますが、1国だけでは中々上手くいかない国もありますよね。
今まではEUで、加盟国にイギリスがいたからこその影響もありましたので、離脱すると他国からの見方が変わってしまう恐れがあります。
EU自身も、今後の国際社会での発言力に不安を抱いているといってもいいでしょう。
・離脱のきっかけとなった移民問題はどうなる?
イギリスのEU離脱には、急増している移民も関係しています。
例えば、EU圏内での移動の自由は、私たちがヨーロッパの旅行をする時には、通貨の換金作業や様々な手続きが必要ありませんから、ちょっと便利ですよね。
しかし、現地に住んでいる人たちからすると、良いことばかりではありません。
ヨーロッパでは長年、西欧と東欧の国での経済格差が問題視されていました。
EUに加盟することで何とか経済状態を維持している、回復している国も、意外と少なくないでしょう。
その影響から、自国よりも経済状態や雇用状況が良い国へ行き、そこで働くという人もいるのです。
加盟国間内での移動がしやすいということは、個別の事情によって他国の人間が入ってくることを意味しますよね。
そのため、比較的雇用や経済状態が良い国ほど、移民が集中してきやすいという悩みを抱えてしまっているのです。
ここで、みなさんに1つ聞きたいのは、自国の国民と他国から来た移民、どちらを大切にしてあげたいと思いますか?
これは極端な質問かもしれませんが、例えば、福祉サービス等を考えた場合、最低限のサービスはまず自国民に利用できる環境を整えたいですよね。
しかし、移民が多く入ってしまうと、国民にサービスが行き渡らないということも出てくるかもしれません。
この悩みは、イギリスに限らず、他の加盟国も悩んでいることでしょう。
しかし、今回イギリスが離脱してしまうと、移民の行き先が1か所失われてしまうことになります。
行き先を失った人たちを、どこの国がフォローしてくれるのでしょうか?
追い打ちをかけるように、ドイツ等の国では移民だけでなく、現在は難民の問題も抱えています。
みなさんも、ニュースで難民がヨーロッパに向かっている話題を見たことはありませんか?
つまり、現在のヨーロッパでは移民・難民問題で各国が飽和状態になっていると思って下さい。
このような状況の時に、受入してもらえそうな国が1つ減ってしまうと、他の国にとっては大ダメージですよね。
人の移動に関しての影響が、大きくのしかかってくるかもしれません。
イギリスとの貿易のあり方も変わる
私たちの生活に直結するような話題としては、貿易面の影響が挙げられるでしょう。
今まではEUという大きな組織とやり取りをする形でしたが、今後は国同士でのやり取りになりますよね。
そのため、新しい貿易のルールを定める必要があります。
その結果、変わることはあるのでしょうか?
・新しい協定と関税
EUの一員でなくなったイギリスと今後やり取りをする場合は、新たに協定等を結び直さねばなりません。
実は、これを結ばないと、今までかからなかった関税が高関税になってしまうという不利益が出てしまうのです。
関税がどのくらいかかるのかによって、日本の経済状態にも少なからず影響が出てきますよね。
そして、企業等が気がかりなのは、それが決まるのがいつになるのか、ということでしょう。
早めに決定するに越したことはありませんが、長引いてしまうとそうはいきません。
次の手を考え出さなければなりませんから、今後の動向には目が離せない人も多いでしょう。
・サプライチェーンの見直し
ヨーロッパに関連企業がある場合は、特にサプライチェーンの体制が死活問題になります。
これは、EU間では無関税であることを利用し、他加盟国で部品を調達し、拠点としているイギリスで生産を行うという方法です。
この方法なら、他国に部品の調達を行っても関税がかかりませんから、企業経営的にはメリットの多い方法ですよね。
しかし、離脱してしまうと、今のやり取りができなくなってしまいます。
また、イギリス側にとって痛手なのは、期限内に新しい協定が結べなければ、EU圏内での顧客データをイギリスに持って帰ることができません。
つまり、ビジネス的に不利になってしまう可能性があるでしょう。
ですので、今までの生産体制では難しくなることから、見直しを迫られていると言っても過言ではありません。
これは、他国だけでなくイギリスにも影響を及ぼすことでしょう。
参考URL NHK解説委員会
(http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/420289.html)
まとめ
イギリスがEUから離脱したことにより、経済状況や国際社会での発言力に大きな変化が見られるかもしれません。
しかし、その影響を受けるのはEUだけでなくイギリスも同じでしょう。
日本の場合は、貿易において新しい協定等の存在が必要になってきますから、輸出入の動きや外交には目が離せません。
現在は移行期間中ですので、まだEU加盟中と同じルールで動きますが、世界中での対応に苦労するかもしれませんね。