現在、経営の資金繰りや経済的に困窮している事情から、様々なサポートの制度が設けられていますよね。
その中には、「給付金」「助成金」という名目がついている制度があります。
ところで、これらの名称が違うと、制度を利用するための条件に何か違いがあるのでしょうか?
その違いについて、早速確認してみましょう!
給付金と助成金~そもそもどんなお金なの?~
まずは、両者がどのようなお金になるのかを確認しておきましょう。
給付金とは、基本的に申請条件を満たすと、誰でも返済不要で受給することができるお金のことを言います。
そして、どのような制度の際に使われるのかというと、主に個人をサポートするための内容に使われることがほとんどでしょう。
最近の事例だと、法人の他に個人事業主、フリーランスを対象とした「持続化給付金」という制度がありますよね。
その他に、住宅確保給付金や失業給付も「給付金」に該当します。
これらの制度を見てみると、あくまで「個人」のサポートを対象としていることに気付けるでしょう。
一方で、助成金とは、一定の条件を満たすと受給することができるお金になり、返済不要な点に関しては給付金と同じになります。
つまり、主な支給条件については、あまり違いがないと思って下さい。
そのため、「給付金」というカテゴリーの中に、「助成金」が含まれていると言っても過言ではありません。
しかし、対象は個人以外に向けた内容が多い特徴があります。
助成金の事例としては、雇用調整助成金が挙げられるでしょう。
基本的な制度のサポート内容には、あまり違いがないと言ってもいいですね。
助成金ならではの特徴を確認しよう
共通点の多い給付金と助成金になりますが、助成金には制度設計上の特徴があります。
そのため、制度の内容によっては、税制優遇の対象となりますから、受給後そのままにしてはいけません。
1つ目は、助成金として制度が設けられる場合、厚生労働省が管理していることが多いという特徴があります。
そのため、助成金の制度の内容としては、雇用関係等のものが多くあると言っていいでしょう。
つまり、幅広い内容が対象になっているとは言えません。
2つ目は、支払った金額を後からサポートするための制度であるという部分です。
助成金を申請する場合は、基本的に計画書を事前に作成・提出した後に、別個で支給の申請をする形がほとんどになります。
つまり、その過程の中には、一度お金を支払っているという流れが求められるでしょう。
基本的には、支払った分をサポートする役割があると思って下さい。
3つ目は、制度によっては法人税の対象となり得ることです。
これは、企業ならではのメリットになりますよね。
給付金の場合は、主に個人を対象としていますから、すべての受給者に税制優遇があるとは限りません。
これは、雇用関係の内容が多い助成金ならではの企業に向けた対応になります。
税制優遇の有無に関しては、大きなポイントになるでしょう。
このように、返済が不要であるお金ではありますが、制度を管轄している場所が違う、税制優遇の可能性があるという点において、両者には違いがありましたよね。
一見同じに見えるお金でも、制度上ではちょっとした違いがあることがご理解頂けたでしょうか?
これは、個人に限らず、企業の経営をしている人にとっても大切な知識になりますよね。
2つのお金を詳しく知ることは、有効に活用できることに繋がるでしょう。
また、滅多にあることではありませんが、両者の受給に関しては不正が発覚すると、返済の義務が生じます。
ですので、家計や資金繰りと同じように、適切な管理や使用を心がけて下さい。
まとめ
今回は、私たちの生活や企業経営をサポートする、給付金や助成金の違いをご説明しました。
両者の共通点は、返済不要で目的に応じて支給されるお金であるということです。
さらに、助成金の方が税制優遇等の措置や制度の管轄が違うという違いがあります。
ちょっとした違いではありますが、用語を知ることは正しい制度の活用に繋がりますよね。
すべての制度で通用するとは限りませんが、一つの理解するための視点として知っておくと良いでしょう。