ハンコは、私たちの生活や仕事において欠かせないツールですよね。
しかし最近、脱ハンコの流れが強くなっていると、みなさんも感じませんか?
とはいえ、ハンコを使う場面は依然として多いですから、脱ハンコというのがどのようなものかイメージし辛い人もいるでしょう。
今回は、脱ハンコのメリットとその方法を解説します。
脱ハンコによって得られる仕事上のメリット
仕事をする際、提出する書類に応じて、適切なハンコを使い分けていますよね。
脱ハンコが徹底されるようになると、その手間がかからなくて楽チンだと感じる人もいるでしょう。
このようなニーズは、今までにも聞いたことがあるはずです。
しかしこれまでは、規模の小さい企業になればなるほど、現状のままでも問題ないということで中々進みませんでした。
そのような状況の時に、コロナの影響があったのです。
テレワークを実施するとなると、ハンコが必須の手続きだと時間がかかってしまいますし、何よりハンコを押すために感染リスクの高い場所に行かなければなりません。
これでは、感染から身を守るためのテレワークになりませんよね。
そういった事で、今後、脱ハンコが進んでいくと、企業や従業員には2つのメリットがあります。
①テレワークの実現を促進できる
②生産性の向上に繋がる
これらをもう少し具体的に見ていきましょう。
①テレワークの実現を促進できる
今までの私たちの働き方は、同じ場所に集まり、そこで仕事を行うという決まったものでした。
だからこそ、ハンコ文化が定着し、それで問題がなかったのです。
しかし、テレワークのように仕事をしている場所が分散してしまうと、従来のような働き方は難しいのは明らかですよね。
さらに、ハンコを押してもらうにしても、チャットツール上でしか連絡を取る手段がありませんから、直接押印してもらうことは困難です。
コロナの感染拡大時に、リスクのある行動だと分かっていながら出社していた人の多くは、ハンコによる事情だったのです。
もしかすると、みなさんの中にも、経験された人がいるかもしれません。
しかし、脱ハンコが実現できると、わざわざハンコのために集まることはなくなりますよね。
その結果、テレワークの導入にも拍車がかかると思っていいでしょう。
今回のコロナに限らず、今後不測の事態があった時でも安心できますよね。
②生産性の向上に繋がる
もう一つのメリットは、従業員の生産性の向上になります。
実は、ハンコがあるということで発生している事務作業は膨大です。
例えば、ハンコが押印されている書類の管理や必要書類の作成、押印してもらうための承認作業、依頼等が挙げられるでしょう。
書類の作成作業自体に時間がかからなくても、付随する作業で意外と時間が取られますよね。
承認依頼をするにしても、該当する人が出張等で不在の場合は、帰ってくるまで待たなければなりませんし、その業務はストップしてしまいます。
このような事情を踏まえると、脱ハンコによっていかに不必要な時間の削減ができるかということが分かるでしょう。
無駄な時間が減ると、しっかりと取り組むべき業務に集中することができますよね。
従業員が今までよりも、業務に集中できると企業にとってもプラスになりますから、これは大きなメリットになるでしょう。
また、これが徹底されると、ペーパーレス化にも繋げられますので、書類に罹っていた費用の削減にも繋がります。
従業員のモチベーションだけでなく、経費面でも助かりますから、経営者にとって損はありませんよね。
ハンコによるしがらみがこんなにもあったことに、驚く経営者は多いでしょう。
脱ハンコ化を進める方法には何があるのか?
脱ハンコによるメリットは分かりましたが、そうなると仕事面にも違いが出てきます。
当然、ハンコに変わる物が必要になりますよね。
実際に脱ハンコを進めている企業では、どのようなツールを活用しているのでしょうか?
主なツールには、以下の物が挙げられます。
・電子署名
・デジタル印鑑
・ワークフローシステム、グループウェアの導入
それぞれの中身をご説明しましょう。
・電子署名
電子署名とは、電子化された文書に改ざんや本人確認の意味を込めて記載される署名のことを言います。
分かりやすく言うと、紙書類に記載する署名と同じ効果があると思って下さい。
紙書類への署名との大きな違いは、必要な書類がデータ化されているため、職場にいなくても署名することができる点にあります。
これは、一般企業だけでなく、医療カルテでも利用できますから、医療業界でも注目を集めています。
契約書に限定されず、営業日報や稟議書等、幅広い書類に対応できますので、署名の手間暇だけでなく、管理面における負担も軽減できるでしょう。
実際に利用するには、電子署名を運用しているソフトウェアを導入する必要があります。
サービス会社ごとの互換性に注意する必要はありますが、利用できると社内に関わらず社外でも大いに役立ちそうですね。
・デジタル印鑑
もう一つは、デジタル印鑑と呼ばれるハンコの印影をデータ化した物になります。
通常のハンコの位置づけから考えると、「認印」と同じような形になると考えて下さい。
複数あるツールの中でも、最も簡単に、費用をかけずに導入できる内容になりますから、試しに導入してみようと考えている企業も多いです。
従来のハンコ文化が少し残った形で利用できると思っていいでしょう。
その一方で、電子署名とは違い、本人がきちんと押した物なのかという証明が難しいデメリットがあります。
大元のシステムを経由してサービスを利用している形ではありませんから、実印のような効果を持たせるのはちょっと危険ですね。
あくまでも、社内における従業員同士の確認での利用に留めておいた方がいいかもしれません。
作成ツールは、無料版からセキュリティ面に安心感のある有料版まで幅広くありますので、自社に合った、使いやすい内容を選びましょう。
・ワークフローシステム、グループウェアの導入
最後にご紹介するツールは、ワークフローシステム、グループウェアと呼ばれる電子決済システムになります。
これはハンコ単体だけでなく、業務の手続き全体を電子化しているシステムを利用することで、全体的な効率化を図るシステムになります。
ここで言うところの効率化には、ペーパーレスが第一に挙げられるでしょう。
電子署名やデジタル印鑑、それぞれにメリットはありますが、どちらも電子化がある程度進んでいなければ利用できません。
そのため、単体だけでは効果を発揮できない可能性もあるのです。
しかし、グループウェアのようなシステムを導入すると、業務全体の電子化が実現できますので、大幅に業務の流れを変えることができますよね。
脱ハンコを根本から進めていきたいと考えている企業にとっては、向いている方法になるでしょう。
しかし、これらのシステムには導入時だけでなく、運用中にも毎月コストがかかりますから、企業の規模によっては厳しいと感じてしまうかもしれません。
ですが、毎月発生する費用とコスト削減をしなかった場合の費用を比べると、どちらが良いのかは明らかだと思いませんか?
大きなコストカットができるならば、想定されるコストは必要経費として考えるべきです。
意外に色々な方法があることを知って、驚いた人もいるでしょう。
社内だけで良いのか、それとも社外でも対応できる形がベストなのかを考えて、検討してみて下さい。
まとめ
脱ハンコの話題は、今に始まったわけではありません。
企業の中には、効率化を重視し必要だと考えていたところもありますが、有耶無耶にされて今日まで至りました。
脱ハンコの流れは、今、多くの企業で広まっていきますから、乗り遅れてしまっては取引等に影響が出てしまいます。
つまり、自社だけの問題ではないのです。
それを回避するためにも、是非検討してみてはいかがでしょうか。