マイナンバー制度は、住民票を有している全ての人が1人1つの番号を保持することによって、税金や社会保障などの分野で効率的に情報管理や個人情報が確認できるようにするためのものです。
行政の効率化や国民の利便性を高めるという部分でメリットがありますが、主に次の3つの効果が期待されています。
・公平公正な社会の実現
所得や行政サービスの受給状況の把握が容易になることから、不当な負担回避や不正な受給を防止します。
・利便性の向上
添付書類の削減や手続の簡素化など、国民に対する負担が軽減されます。
・行政の効率化
行政機関や地方公共団体などが行う、情報の照合、転記、入力に必要な時間や労力などの無駄を削減します。
マイナンバーが利用されるのは?
マイナンバーは、国などの行政機関や地方公共団体などにおいて、社会保障、税金、災害対策の分野で利用されます。
そのため年金や雇用保険、医療保険などの手続や、児童手当や生活保護などの福祉の給付、確定申告などの税申告において、申請時にはマイナンバーの記載が求められることになります。
民間企業でのマイナンバーの取扱い
税や社会保険の手続きは、事業主や証券会社、保険会社が個人に代わり手続きすることになるケースもあります。このようなことから勤務先以外にも、保険会社や証券会社などの金融機関からマイナンバーの提出を求められる場合もあります。
・従業員の健康保険や厚生年金の加入手続きや、従業員の給料からの源泉徴収
・証券会社や保険会社等の金融機関で行う利金・配当金・保険金等の税務処理
平成28年1月以降(厚生年金や健康保険は平成29年1月以降)は、以上の手続きを行うためにマイナンバーが必要です。
企業や団体に勤務している人や、金融機関と取引がある人は、本人や家族のマイナンバーを勤務先や金融機関に提示する必要があります。
マイナンバーを漏洩しないために
法律で定められた目的以外に、他人にマイナンバーを提供することはできません。不正に他人のマイナンバーを入手することや、マイナンバーや個人情報が記録されたファイルなどを不当に提供した場合には処罰の対象になります。
マイナンバー法で企業がとるべき対応としては次のようなものがあげられます。
・マイナンバーの記載が必要な書類の確認
・マイナンバー収集対象者の確認(従業員、報酬、不動産使用料、配当等の支払先)
・組織体制の整備と社内規程の見直し
・担当部門と担当者の明確化
・漏洩防止などの物理的安全管理に対する措置の検討
マイナンバーは税金や社会保障の手続きの際に、従業員から預かる必要がある大切な個人情報ですので適切な管理が必要になるということを理解しておきましょう。