マイナンバーとは日本国民一人ひとりに付与された12桁の番号のことで、平成29年1月からは健康保険組合に提出する申請書類にこのマイナンバーの記入が必要となります。
マイナンバー制度とは
マイナンバー制度は住民票に登録された人全てに12桁の個人番号を付与し、社会保障や税、災害対策の分野で個人情報を効率的に連携させるための制度です。なぜこの制度が設けられたかについては以下のような理由があります。
・行政が効率的に
地方公共団体や行政機関では様々な情報を扱っています。これらを入力、照合、転記する際にかかる労力や時間がマイナンバー制度の導入により削減されます。さらには複数の業務間で連携することが可能となるため、重複した作業を行うことがなくなり無駄が削減されることになります。
・公平、公正な社会を実現するために
所得や行政サービスからの受給状況の把握が容易になることから、不当に負担を免れることや不正に給付を受けることを防止することが可能になります。
・利便性の向上
様々な書類に添付するべき書類を削減したり、行政手続が簡素化されたりと、国民の負担が軽減されることになります。
マイナンバー導入のスケジュール
既にマイナンバーは個人に通知されていますが、今後どのように導入されていく予定になっているかは次のとおりです。
・平成28年1月~
個人番号カードが交付開始され、税や社会保障(国民健康保険、雇用保険関係)の行政手続きでマイナンバーの使用が順次開始されています。
・平成29年1月~
社会保障(健康保険、厚生年金保険関係)の届出などでマイナンバーが使用されることになります。
1月1日以降に健康保険組合へ提出する資格や給付関係の申請書類にはマイナンバーの記入が必要です。さらには国の機関等での情報連携が開始され、インターネットで個人情報の確認が可能となるシステムの運用が開始されます。
・平成29年7月~
健康保険組合を含んだ医療保険者等と地方公共団体等の情報が連携されます。
マイナンバーの取り扱いについて
マイナンバーやマイナンバーを含んだ個人情報については、法律で定めのある範囲以外で利用することは禁止されています。
・マイナンバーの利用範囲
法律に規定されている社会保障や税、災害対策に関しての事務に限定されています。
・マイナンバーの提供の要求
社会保障や税に関する手続の書類作成事務を行う必要がある場合に限り、本人等にマイナンバーを提供することを求めることが可能です。
法律で限定的に明記されている場合を除いて、提供の求めや、提供、収集を行ってはいけないことになっています。
健康保険組合のマイナンバーの取り扱い
健康保険組合では、「個人番号利用事務実施者」としてマイナンバーが取り扱われます。 個人番号利用事務実施者とは条例で定める行政事務を処理する行政機関、地方公共団体、独立行政法人などが該当します。個人番号利用事務実施者としての範囲内でマイナンバーを使用することになります。
企業では適正な扱いと管理が必要
企業は適正な目的以外で従業員などからマイナンバーを収集してはいけないことになっています。健康保険組合への提出書類にマイナンバーの記載が必要になりますが、従業員から収集したナンバーの管理対策についてもしっかりと検討しておくようにしましょう。