コロナ禍以降は、以前と社会の在り方が大きく変わっているため、新たな常態となったニューノーマル時代と呼ばれています。
ニューノーマル時代になると、営業スタイルも大きく変わらざるを得ず、以前のように定期的な顧客訪問がしづらい状況となっています。
ニューノーマル時代の顧客接点強化について、解説します。
顧客との接点を失わないために
顧客に連絡を取りたいときは、電話やメールが一般的です。
しかし、中には電話をしてもなかなか出ない、メールを送っても返信がないというケースもあるでしょう。
新商品の案内であれば、機会損失とはなるもののトラブルにはめったにつながりません。
しかし、購入申し込みの書類に不備があった場合などは、受付ができないため予定していた日程に届けることができず、トラブルになってしまう可能性もあるでしょう。
顧客とのコミュニケーションが不足していると、ビジネスでの大きな損失になってしまうのです。
顧客側ではもう済んだ話だと思っているため、気にせず商品が届くのを待っているのです。
お問い合わせに対処できるようコールセンターやカスタマーセンターを設けていても、人材不足で十分に機能していなかったり、FAQがわかりづらいせいで電話が集中してしまったりするケースもあります。
なかなかつながらない電話にイライラして、開口一番怒鳴られてしまうこともあるでしょう。
苦情を受けて、結局本題までたどり着かずに電話が切れてしまうと、今後の契約にも影響が出てしまうかもしれないのです。
コールセンターの人材不足を解消するために、近年増えているのが在宅勤務コールセンターです。
コールセンターに勤務している人の中には、出産や育児、介護などで退職する人が少なくないのですが、在宅コールセンターであればある程度の時間を除けば十分に勤務できます。
コールセンターは人材不足になりやすいため、在宅によって人手を確保することができれば、人材確保にかなり役立つのです。
クラウドサービスを活用することで、在宅でも十分対応が可能となりました。
また、FAQ強化のためにチャットボットと組み合わせるケースも増えています。
チャットボットに質問を投げかけることで、適切なFAQのページを表示してもらえるため、見つかりにくいという問題が解消されるのです。
電話と違って、24時間対応してもらえるため、深夜でもすぐに回答を知ることができるでしょう。
企業としても、コールセンターの人件費を抑制できます。
ただし、FAQに当てはまる内容がなければ、回答はできません。
十分に活用させるには、FAQの拡充が必要となるでしょう。
AIには判断しにくい内容もあるため、顧客が自分で探すことができるようFAQを整備することも大切です。
DX化の重要性
顧客との接点を強化するために重要なのが、DX化です。
DX化は社内の業務効率を高めるためにも有効ですが、顧客との接点強化にも役立つのです。
まず、近年増えているのがカタログの電子化です。
従来の紙製のカタログは重い、ページ数が多く商品を見つけにくい、保管が大変など多くの問題点があり、カタログを発行する側としても少なくないコストがかかります。
カタログは定期的に発行されますが、前号と比べて新商品がいくつか追加されただけ、というケースも少なくありません。
価格改定があった場合は、過去のカタログが役に立たなくなってしまいます。
カタログを電子化すると、紙媒体とは違って場所を取らず、パソコンやスマホ、タブレットなどの電子機器があれば、いつでも見ることができます。
ネット上に保管されている場合は、外出先でも気軽に確認できるでしょう。
また、変更点があった場合は変更点だけを反映してカタログを更新すればいいので、顧客に対してはメールで変更があったことを伝えるだけで問題ありません。
デジタル化することで、デジタルならではの動画や音声、購入ページへのリンクなどの埋め込みが可能で、より情報を伝えやすくなるでしょう。
カタログを電子化することは、顧客との接点強化につながります。
年配の経営者でデジタルが苦手な取引先の場合、電話をもらって何度か使い方を教えることになるかもしれません。
企業の経営者は、カタログの使い方を教えてもらった場合に、何もせず帰すことはめったにないでしょう。
注文のついでに聞いたことにするなど、たとえ少額でも注文をしてくれるケースが多いのです。
少額の取引を積み重ねて信頼を得ることで大口の取引につながるというのは、営業で以前から変わっていない部分です。
どれだけわかりやすく作られたカタログでも、呼び出しには応じて丁寧に教えることが売り上げにつながります。
顧客との接点を強化するために気を付けたいのが、ホームページの放置です。
ホームページ開設は難しくないため、インターネットが普及し始めた頃にホームページを作成した企業は多いでしょう。
しかし、元々ホームページにあまり興味を持っていない企業は、更新せず何年も放置しているケースがあります。
特に事業内容などに変わりがないため、変更する必要性を感じないのかもしれません。
また、ホームページの更新にはコストもかかり人手も必要となるため、何もしたくないと考えていることもあるでしょう。
社内にホームページの担当者を設置しても無駄になるという理由から、担当者がいないケースもあります。
しかし、ホームページは更新しなければ、顧客との接点強化になりません。
蜘蛛の巣が張っている入り口は使われていないと判断されるように、何年も変化がないホームページは機能していないものとみなされるのです。
検索した際も関連情報の中から表示される順位が低くなり、社名で検索した際も似たような社名の企業のホームページの方が上位に表示されてしまうかもしれません。
また、管理されていないということはセキュリティ対策も不十分なので、情報を入力することもためらわれてしまいます。
ホームページは、外注でもいいので定期的に更新しましょう。
時には、がらりとデザインを変化させて更新をアピールすることも大切です。
自社関連動画があれば、埋め込むことでアピールできるでしょう。
些細な変化でも、きちんとホームページに反映していくべきです。
まとめ
ニューノーマル時代では、従来のように顧客との対面営業がしづらくなったことで、顧客接点が失われてしまうケースもあります。
顧客との接点を強化するためには、まずコールセンター等の人材不足を解消することが大切です。
さらに、DX化を推進することで今まで以上に接点を得やすくなり、必要な情報をスマートに発信できるようになるでしょう。
放置されたホームページなども、活用してください。