暗号資産(仮想通貨)には多くの種類があるのですが、中でも今注目されているのがミームコインと呼ばれる種類です。
ミームコインというのは、インターネット上のミームを基にして開発された仮想通貨のことですが、何があって注目されているのか、わからない人も多いでしょう。
注目されている理由について、解説します。
ミームコインが注目されている理由
仮想通貨取引所の中でも大手であるバイナンスの研究部門は、ミームコインに関するレポートを公開しました。
現在、ミームコイン人気が集まっているのはなぜか、合理的な根拠を示して特徴と注目されている理由について考察したものです。
ミームコインの合計時価総額は、ビットコイン、イーサリアム、ステーブルコインを除いた仮想通貨市場において、以前は4%だったのが現在は11%を占めるようになりました。
ミームという前衛的な資産クラスに大きな関心を寄せられるようになった要因は、いったい何なのでしょうか?
レポート内では、若年層で金融ニヒリズムが高まっていることが原因ではないか、という考察をしています。
世界のマネーサプライ総額は、2020年は81兆ドルだったのが、2022年には102兆ドルと25%以上拡大しているのです。
米国では前年比7%という高水準のインフレになった中、通貨インフレヘッジとして不動産の様に長期的な価値のある資産に投資する動きが加速してきました。
米国では、平均的な労働者がマイホームを手に入れるという夢は、以前にもまして遠いものとなったのです。
若い投資家がミームコインに投資する動きが高まっているのは、キャッシュフローのような従来の評価基準によるものではありません。
ミームコインには、物語的、あるいは文化的な理由に基づいた象徴としての価値があるからだと考えられているのです。
2021年、gamestop株が高騰して起こったショートスクイズ事例は、コミュニティ及び文化的活動が金融資産によって生み出されることがあると象徴しているといえます。
ミームコインにおいても、同じような現象が起こるよう促進する可能性があるのではないかと、レポートでは説明されているのです。
すでに起こったgamestop株のショートスクイズと今のミームコインの人気は、公的な取引が可能な市場を投票メカニズムとして利用しているといえます。
市場に参加する人は、既存の伝統的金融や法定通貨、後半に社会経済システムに対して試算による反対票を投じているのです。
ミームコインの価値とは?
ミームコインの価値の一面には、インターネット文化に合致して従来の金融システムとは違う新しいタイプの資産を提供する可能性だといわれています。
2017年のICOブームで、一般投資家が初めてだれもが平等に投資できる可能性を得た事例と、ミームコインへの投資には似ているものがあるのです。
乱立したICOの中には、中身がない詐欺のようなプロジェクトも多く、規制当局からはトークンの証券性も問題視されていました。
仮想通貨プロジェクトの資金調達方法には、公的にアクセスできるICOよりも、VCによるプライベートな方法に移行していったのです。
一方、VCが支援していたアルトコインと比較して、ミームコインは一般投資家にも投機機会の公平性があるといえます。
多くの人の注目を集めるミームコインは、アルトコインの持つ技術的なソリューションよりも一般消費者が興味を持ちやすいという特徴があるのです。
ミームコインはアルトコインと比べて、迅速にコミュニティを構築して投機の機会も促進しやすいため、資本が流入する速度も加速していきました。
ミームコインの元祖であるDOGEは、時価総額が10億ドルに達するまで8年かかったのですが、SHIBやWIFは1年かからずに同規模まで達しました。
しかし、ミームコインへの投資には多くのリスクがあるということは覚えておく必要があるでしょう。
ミームコインの97%は取引量がゼロで、プロジェクトは途中で消滅する可能性も高く、さらに一般の投資家から搾取しようとするプロジェクトもどんどん登場しています。
また、成功したミームコインを模倣した類似トークンも発行され、市場が飽和する可能性もあるのです。
ミームコインから何を学べるのか
技術主導のアルトコインは、ソフトウェアビジネスをチェーン上でトークン化したものだといわれるのですが、ミームコインは物語やアイデアをトークン化したといわれています。
一般の投資家が、平等にローンチされて全員が公平にアクセスできるコインを求めたことで、ミームコインが人気になっていったと考えられるのです。
実際に、ミームコインの人気が高まって時価総額も十数億ドルまで達していることで実証しているといえます。
一般投資家がプロジェクトの初期から投資して、チームとともに進歩する機会が与えられるというのは、どのような仮想通貨プロジェクトにとっても重要です。
投資家とともに進歩することは、強力なコミュニティを育成するためには不可欠な要素といえます。
アルトコインは、ビジネス指向の具体的なユースケースを備えているソフトウェアの開発を進めているのです。
しかし、ミームコイン現象からはコミュニティの構築やトークンの公正なローンチなどを学ぶことができるといっています。
ミームコインの台頭は新たなトレンドであり、ブロックチェーン技術が世界中の個人を結び付けたといえるでしょう。
トークン化された資産を中心として、有機的なコミュニティを育成する能力を持っていたと、説得力を持って実証したといえます。
日本でも、モナコインのような日本初の仮想通貨が登場していて、徐々に人気を高めているのです。
まとめ
インターネット上のミームを基にして開発されたミームコインは、近年大きく人気を伸ばしていて多くの種類がつくられています。
しかし、取引量が全くないようなコインがほとんどなので、まずは流通しているコインを選んで内容を確認したうえで、購入する必要があるでしょう。
ミームコインは、今後コミュニティを構築しながら伸びていくと考えられているため、さらに価値を増していくかもしれません。