株式会社MIXIは、2024年12月に新しいSNSとなる「mixi2」を発表しました。
かつてはmixiというサービスがあり、2000年代から10年代前半にかけて、多くのユーザーを集めていたのです。
しかし、昨今はX(Twitter)やLINEなどと比較すると、存在感が薄かったという事実もあるでしょう。
突如登場した「mixi2」はどのようなサービスか、解説します。
以前と異なる点、同じ点は?
2004年にサービスを開始したmixiは、マイミクという友人との交流や、同じ趣味を持っている人のコミュニティに参加してやり取りするというSNSでした。
自分のページを開設して、マイミクと手軽に会話することができており、日記やmixiボイス、コミュニティへの書き込みなどができました。
現在の主なSNSでいえばFacebookに近い形態で、今までになかった閉鎖的なコンテンツサービスとして人気を博していたのです。
しかし、新たに登場したmixi2はThreadやXに近い仕様となり、タイムラインで投稿が時系列に沿って流れてくるようになっています。
mixi2をかつてのmixiと比較した場合、いうなればmixiボイスが進化した形態といえるでしょう。
mixiボイスにタイムラインが導入されて充実したサービスとなった一方で、日記などのサービスは後退しています。
しかし、mixiの時代と同じようにコミュニティはあり、イベントを開催して他のユーザーとオフラインで集まることができるのです。
かつてmixiは最初が完全招待制でしたが、2010年からは登録制に移行しており、招待制をやめたことが衰退の原因とも言われています。
mixi2も完全招待制になっていて、かつてのmixiアカウントを流用したり、mixとつなげてデータを移行したりすることはできないのです。
また、アカウントは最大で3つまで作成することができ、アカウントはアプリ内で切り替えることができます。
招待リンクには特に登録数に関する上限はなく、招待リンクを共有しているケースも少なくないでしょう。
インフルエンサーの中には、招待コードを作成してXでばらまいているケースもあります。
かつてのmixiの全盛期と比べて、招待を受ける難易度はかなり下がっていて、実質的にはオープンSNSに近いといえるでしょう。
mixi2でできることとできないこと
mixi2は、mixiボイスやツイートのような投稿可能なSNSで、フォロワーにテキスト型のポストを見てもらうことができます。
また、テキストにはエモテキスト機能というものも実装されていて、ポストの文字を跳ねさせたり、拡大したりすることもできるのです。
mixi2は、ホーム画面の投稿ボタンからポストを作成でき、投稿されたポストにリアクションしたり返信したりすることもできます。
リアクション用として絵文字も用意されていて、かなり豊富な種類があるため楽しく利用できるでしょう。
フォロー欄では、フォローしているアカウントのポストを見ることができますが、自分が参加したコミュニティのポストも流れます。
Xのおすすめタイムラインに対しては、フォローしているユーザーだけ見たいと不快感を抱いている人もいるでしょう。
mixi2であれば、フォローしているユーザーとコミュニティ関連のポストしか流れてこないため、Xから移行することにメリットもあります。
また、流れてくるポストをフォローしていないユーザーのものに切り替えたい場合は、タブを「発見」に切り替えることで新たなユーザーを見つけることもできるのです。
しかし、mixi2は従来のmixiとは全く違うサービスとなっているため、従来のサービスにあったゲームはプレイできません。
また、日記機能や足あと機能などもなくなっているため、従来のサービスとは招待制とコミュニティ、mixiボイス以外の共通点はほとんどないでしょう。
ただし、以前よりもユーザーが減少しているとはいえ従来のmixiもまだ継続しているため、過去のmixiがいいという方は登録してみてください。
mixi2は旧Twitterの代わりになるのか
従来のmixiをイメージしてmixi2を始めた場合、従来のサービスとの違いに戸惑うことも多いでしょう。
利用した人の中には、かつての良かったころのTwitterに近いという印象を抱いている人もいます。
基本的なポスト機能は、ThreadやXと同じような使用感であり、タイムラインもフォローしていないユーザーなどは省かれているため、快適に感じるでしょう。
いちいちブロックしたりミュートワードを設定したりしなくても、不快なポストが流れてくる可能性は低くなります。
近年では、ThreadやBlueskyなど多くの種類のSNSが登場していてXの代替となっているのですが、mixi2も同様の使い方ができるでしょう。
また、mixi2は招待制であることも魅力の1つで、インプレゾンビやスパマーなどがタイムライン上に多数流れてくるのを防ぐことができます。
しかし、mixi2が昔のTwitterの代替として発展する場合は、不安に思える点もいくつかあるでしょう。
例えば、招待制といいながら実際には無制限に招待が可能な、オープンSNSに近い性質を持っているという点があります。
サービスが提供されてから時間が経過するにつれて招待制の意義が薄れてしまい、だれでも登録できるようになるとコミュニティも荒れてしまうでしょう。
また、タイムラインにも無関係なポストが紛れ込みやすくなるなど、質が下がってしまうリスクもあります。
招待制という意義をはっきりとさせるのであれば、招待リンクは1アカウント当たりの人数制限をかけてプレミアム感を出すという方法がいいのではないでしょうか?
また、かつてのTwitterは柔軟なAPI利用などが実現しており、エンジニアがAPIを面白がって使っていました。
結果として、高品質なTwitterクライアントが多数リリースされており、開発コミュニティが文化を支えていたのです。
今後、mixi2ではTwitterのようなコミュニティの形成を目指していくのか、あるいはまったく異なる独自の文化を築いていくのでしょうか?
知名度がかなり高いmixiの後継として話題にはなっていますが、今後どのような方向性になるのかはまだはっきりとわかっていません。
まとめ
2024年12月に、かつて多くのユーザーがいたmixiの後継サービスとなる完全招待制のSNSサービスである、mixi2が発表されたのは聞いた人も多いでしょう。
機能としてはmixiを踏襲した点もありますが、全く異なる機能などもあり、かつての良かったころのTwitterに近いという感想もあります。
今後、mixi2がどのような方向性に成長していくのかによって、サービスの質も大きく異なることとなるでしょう。