2023年に、埼玉県川口市で病院前に多数の外国人が集結して騒動を起こすという事件が発生しました。
集まった外国人がクルド人と呼ばれる人だったことからクルド問題と呼ばれているのですが、実は以前から様々な問題が起こっていたのです。
クルド人問題とは一体何なのか、解説します。
クルド人問題とは?
外国人を示すときはアメリカ人やインド人、中国人のように国名をつけて呼ばれるのが一般的ですが、クルド人というのはクルドという国の人ではないのです。
ペルシャ語系のクルド語が母国語の民族で、主にトルコやイラン、イラク等に住んでいる人のことをいいます。
先住民族ではありますが、山間部に住んでいて方言も多く、意思を疎通するのが困難という特徴もあるのです。
現在は2500~3000万人がいるといわれており、トルコ東部に住んでいる人が最も多いといわれています。
第二次世界大戦直後には、イラン北西部にクルディスタン人民共和国として独立したこともあるのですが、約1年で崩壊したという歴史もあるのです。
トルコやイラン、イラクの各政府は、国内のクルド人勢力を抑えながら、互いに隣国のクルド人組織を支援しています。
クルド人問題というと、まず思い当たるのがトルコやイラク、シリアなどで起こっている問題ですが、近年問題の起こる範囲が広がっているのです。
トルコやイラクでは、過去に多くの政治組織が自治や独立を要求して運動しており、時には激しい武力闘争に発展したこともあります。
イラクではクルディスタン地域政府が誕生していて、独立を伺いつつある状態となっているのです。
また、トルコでは1980年代以降政府に対してクルディスタン労働者党が激しいゲリラ戦を展開しており、クルド人問題の存在を内外に知らしめています。
シリアでは、アサド政権による徹底的な抑圧によってクルド人の存在すら知られていなかったのです。
しかし、2011年以降の内戦を背景としてクルド系のゲリラ組織が台頭し、シリアの将来にも影響する可能性も秘めています。
一方、イランではクルド人問題について報道されることがほとんどないのですが、クルド人の民主主義運動は昔から行われているのです。
埼玉県川口市で起こった問題
クルド人の中には、日本に住んでいる人もいるのですが、主な原因はトルコなどで迫害されたり、弾圧を受けたりしたため逃れようと日本に来ています。
在日クルド人は、主に埼玉県川口市や蕨市周辺に住んでいるのですが、住民登録も認められず難民申請を行っている人も多数いるのです。
中には、在留資格がないまま日本に滞在し続けたことで、2世が誕生しているケースもあり、2023年時点で約200人いるといわれています。
川口市では特にクルド人に関する問題が以前から出されていて、2021年からは特に苦情が増えているのです。
苦情には、クルド人は日本人にとっては当然といえるマナーを守らず、迷惑をこうむっているという内容が見られます。
お店の前でトラックが長時間停車していて、運転手は店内で食事をしていた、夜の公園で体格のいいクルド人が集まっていて怖い、といった内容があるのです。
苦情は市だけではなく警察にも寄せられていて、クルド人の運転する車が乱暴で危険なため、さいたま市に引っ越したという会社社長もいます。
狭い道でも暴走しているかのように走り、商店街でも車の事故を起こしたことがあるものの、運転手のクルド人はすぐに逃げてしまったようです。
また、外国から来ている人のコミュニティでありがちですが、クルド人も集団で行動することが多いため、恐怖を覚える日本人も少なくありません。
他にも、騒音被害や子どもの教育などの問題もあり、クルド人同士の小競り合いも頻繁に起こっているようです。
駅前も、暗くなってからは女性の一人歩きが心配で、性犯罪未遂も頻繁に起こっているという懸念もあります。
川口市議会には、2023年6月に外国人犯罪の取り締まり強化を求める意見書が提出され、賛成多数で採択されているのです。
警察官の増員や取り締まり強化については、衆参両院議長や国家公安委員会委員長、総理大臣、埼玉県知事、埼玉県警本部などに求めています。
クルド人による治安の悪化を看過できないと考えられるようになってきたところで、地域を揺るがす事件が起こっているのです。
意見書が採択されてから5日後に、100人近いクルド人が川口市立医療センター前に集結し、機動隊も出動するほどの騒ぎになりました。
救急搬送の受け入れもできなくなり、5時間半にわたって停止する事態となったのですが、なぜ問題が起こったのでしょうか?
同日の夜に、トルコ国籍の男が同国籍の男に刃物で切り付けられ、被害者は医療センターに搬送されました。
ところが、双方の親族や仲間も医療センターへと押しかけて、救急外来の扉を開けようとしたり、大声で叫んだりしていたのです。
現場では混乱が生じて翌日の午前1時ころまで続いており、4人が殺人未遂、2人が公務執行妨害容疑で逮捕されました。
医療センターには、埼玉県南部を担当する3次救急医療施設である救命救急センターも併設されていて、24時間重篤な患者を受け入れることができるのです。
受け入れを停止していた間に重篤な患者が搬送されてこなかったものの、地域の安全に深刻な影響を与えることとなりました。
傷害事件だけで考えても、常時刃物を携行していると思われるため問題があるのですが、さらに大きな問題となるのが大勢集まってくるという風習です。
多くの人が集まって一触即発の緊迫した事態になってしまうという展開が起こったことで、クルド人に対するイメージはかなり悪化しました。
他の外国人で考えても、中国人やベトナム人がSNSなどで呼びかけて100人も集まるということは、まず起こりえないでしょう。
さらに、2023年7月12日にはトルコ国籍の男子中学生が問題を起こし、さらにクルド人問題の特異性を深く印象付けました。
男子中学生は、川口市内の商業施設で音楽を大音量で流し、喫煙などの迷惑行為を繰り返したことで、警備員が出入り禁止を告げたのです。
しかし、中学生は外国人への差別だ、施設を爆破してやると警備員を脅迫して、一度立ち去ったものの再び戻ってきました。
出入口付近で煙幕花火に火をつけて投げ込んだため、脅迫と威力業務妨害の容疑で埼玉県警が逮捕したのです。
まとめ
クルド人というのは一つの国に住む人ではなくクルド民族と呼ばれる人々のことで、トルコやイラン、イラクなどに多くが住んでいます。
日本国内にも在留していて、難民認定や在留資格を得ることを望んでいるのですが、なかなかかなわない人も多いのです。
クルド人は日本国内で様々な問題を起こしていて、文化的な違いと考えても許容できない内容であることから、取り締まりの強化などが認められました。