現在、技術革新が起こり生活様式やビジネススタイルが変化したことで、従来のリスクとは異なる新たなリスクが生じています。
新たなリスクのことをニューリスクといい、今までとは異なる対処方法が必要となるのです。
社会が発展したことに伴って生まれたニューリスクの内容と、対応方法について解説します。
ニューリスクとは?
近年、新たな技術が次々に誕生しています。
エネルギー面では、再生可能なエネルギー、ヒートポンプ、蓄電池、電気自動車など分散型エネルギー資源を利用して、持続可能なエネルギーシステムが構築されています。
他にも、省エネルギーや資源循環、バイオ技術等の開発、国際的な脱炭素化の動きなどがあり、AIが技術の普及を支えています。
AIについても、研究開発が進められていて、環境や社会情勢も大きく変化しているのです。
変化に伴ってリスクも多様化し、産業や社会のデジタル化はますます加速していき、オンラインでの交流や教育、電子商取引、リモートワークなどのプラットフォームも次々に登場しています。
新たな技術を利用する生活様式へと変化する中で、デジタル・セーフティーはさらに向上することが求められます。
新たなリスクに備えるためには、確かなリスクモデルによる評価と、評価に伴うリスクコントロールが重要です。
イノベーションの進展や産業構造の変化などで生じる新たなリスクを予測して、予防策を講じ適切に管理していくことで、安定した生活や活発な事業活動ができるようにすることが大切となるでしょう。
ニューリスクに対応した保険の加入
新たな技術が生まれ、生活環境や経済環境が変化していく中で、リスクに備える保険も従来通りとはならないでしょう。
リスクに合わせて、保険も検討し直さなくてはならないのです。
ニューリスクには、まずサイバーリスクがあります。
ニューリスクの中でも特に注意が必要なリスクで、ビジネスの大部分がデジタル化した昨今では重大な被害をもたらすかもしれません。
サイバーリスクへの備えとしては、被害に対する補償をする保険だけではありません。
被害を防ぐための機能も、保険の一環として提供されることがあるのです。
ウイルス対策ソフトやファイヤーウォールなどを、保険会社が代わりに行います。
また、保険会社が提供するサイバー攻撃対策は、企業単体に限るものではありません。
サプライチェーン全体に対策を施して、自社だけではなく取引先企業も同時にガードしてもらうこともできるのです。
また、新たな日常に備える保険もあります。
企業の中では、コロナ禍を経てテレワークを推進するところも増えているのですが、テレワークにはオフィスワークとは違う様々なリスクがあります。
まず、自分のパソコンを使用して仕事をする場合の、サイバー攻撃による情報漏洩のリスクがあります。
また、業務用パソコンを貸し出した場合はセキュリティを厳重にできますが、ハードの破損や盗難のリスクが生じることになります。
テレワークの場合、従業員の労務管理も難しくなります。
ずっと監視しているわけにもいきませんが、勤怠管理などもオフィスワークより複雑になってしまうため、労務リスクが生じるのです。
また、文部省が発表したGIGAスクール構想に伴い、自治体にパソコンやタブレット端末などを販売する企業には、販売したハードの故障や破損に伴い交換・修理をするというリスクがあります。
保険に加入していると、生じた損害やリスクに伴う費用などを補償してもらうことができます。
企業としても、負担を最小限にすることができるでしょう。
また、今後拡大が予想されているビジネスとして、月面ビジネスがあります。
現在、宇宙旅行ビジネスを提供している会社は、アメリカに4社あります。
日本でも、2021年に初めて日本の民間人として宇宙旅行をした人がいました。
宇宙旅行には、無重力状態を体験するツアー、一定期間宇宙に滞在する旅行、宇宙経由で移動をする旅行、最終的な目標として月や火星への移住という4つのパターンがあります。
無重力を体験するための小旅行にかかる費用は、現在20万ドルから45万ドルになっています。
宇宙に一定期間滞在する場合は費用が跳ね上がり、1人5500万ドルになるのです。
また、ISS(国際宇宙ステーション)に滞在する旅行の場合は、およそ3700万ドルかかります。
日本の民間人が利用したプランで、他にも様々なプランと組み合わせることができるのが特徴です。
月面ビジネスは単価が高いものの、利用者は確実にいるため今後さらに市場が拡大していくと考えられます。
保険では、打ち上げから着陸までのリスクを補償することになるでしょう。
また、他にもストリーミング配信を行う事業者やオンラインスポーツイベント、オンラインコンサートなど、新たに登場したビジネスは他にもあります。
保険に加入していると、機器の不具合で中止になった場合の、チケットの払い戻しなどの補償を受けられるのです。
デジタルアート作品を出品している人向けの保険では、第三者が不正アクセスで所有者情報が改ざんされた場合に受けた損害を補償することが想定されています。
他にも、次世代のモビリティサービスの実装に向けたサービスなどもあります。
メタバースにおけるニューリスク
現在注目されているメタバースでも、様々なニューリスクが考えられます。
メタバースにおいては、現実世界に準拠した施設なども用意されるのですが、不正アクセスやウイルスによって施設にある機密箇所や機密データなどが盗まれる可能性も生じることになるのです。
また、メタバースでは新たな経済圏が創出される一方、プライバシーや商習慣、文化の違い、セキュリティ面での問題点などが考えられます。
技術革新が激しいメタバース内では未知のリスクも次々に生じるため、即座位に対応できる体制づくりが重要となるでしょう。
まとめ
現在、社会の環境は目まぐるしく変化しています。
特に、コロナ禍以前と以降ではテレワークの導入など働き方も大きく変わりました。
また、ビジネスにおけるデジタル化の普及に伴い、サイバーリスクなども激しくなっています。
新たなリスクに備えるためには、損害を補償する保険に加入する必要があるでしょう。
周囲を取り巻く環境が次々と変化していく昨今では、未知のリスクに対応できる体制づくりが重要となるでしょう。