大雨やゲリラ豪雨が起こったとき、家に雨漏りが発生したという経験をしたことがある人は、少なくないでしょう。
また、洪水で浸水してしまったという人もいると思います。
大雨、洪水、ゲリラ豪雨などの水災の被害は、火災保険で補償されることもあるのです。
火災保険で水災の補償を受けられるケースについて、解説します。
大雨やゲリラ豪雨による被害は?
近年は、世界中で局地的な大雨が増えていて、ゲリラ豪雨や集中豪雨が降りやすくなっています。
雨水を処理できずにマンホールからあふれたり、雨漏り、土砂崩れが起こったりするなど、被害も起こっているのです。
降水量が1時間あたり50mmを超えるケースは、1976年から1985年までの10年間と比べて、2013年から2022年までの10年間が約1.5倍になっています。
1時間で50mm以上の雨となると、滝のようになって前方の視界が遮られてしまい、マンホールから水が噴出する可能性もあるのです。
また、勢いが強い雨によって、土石流やがけ崩れなど、土砂災害が発生する可能性も高くなります。
激しい豪雨が発生すると、住宅では床下浸水や床上浸水、雨漏り、土砂災害による土砂の流入などが起こる可能性があるでしょう。
住宅内への浸水や雨漏り、土砂の流入などが起こると、住宅や家財は重大な損害を受けてしまいます。
床下浸水なら住宅の基礎部分の清掃が必要になり、床上浸水なら家中の補修や電化製品の買い換えが必要となるでしょう。
都市部は舗装されている道路が多いため、水を吸収できずに排水機能を上回り、水があふれだしてしまうこともあります。
排水できる限界を超えて雨が降ってしまう大雨やゲリラ豪雨などが都市部で発生してしまうと、大きな災害につながる可能性が高いのです。
被害は火災保険で補償される?
大雨や台風、ゲリラ豪雨などで損害を受けた場合も、火災保険に加入していれば補償されることがあるのですが、契約内容によって補償されるかどうかが変わります。
火災保険は、火災以外の様々な自然災害、事故による家財や住宅への被害などを保証してくれる保険です。
落雷や大雪、強風によって被害を受けた場合や、盗難に遭った場合、大雨で被害を受けた場合も、火災保険で補償されます。
ただし、火災保険の契約によって補償内容が異なるため、補償されない事故や災害などもあるかもしれないのです。
一般的な火災保険では、火災によって損害を受けた場合に保険金や一時金が支払われますが、他にもいくつかの自然災害に対して補償があります。
風災や雹災、台風、水災、落雷については、補償されることが多いのですが、水災は火災保険によってはオプションとなっていることもあるのです。
オプションになっている場合は、基本の補償だけ加入していると水災にあった時も補償を受けることができなくなります。
また、火災保険の補償範囲には建物と家財の2つがあり、両方に加入している場合は住宅だけでなく家電など家財への損害も補償されるのです。
ただし、建物または家財のどちらか一方のみにしか加入していない場合には、加入していない一方の部分について補償されない点に注意してください。
水災の補償があるか、建物と家財の両方の補償があるかなど、現在加入している火災保険の補償内容と範囲を確認しておきましょう。
水災の補償がある場合でも、水災保障の支払い基準をクリアしていないと支払われることがないため、支払い基準についても知っておくべきです。
一般的な支払い基準は、損害が建物の保険価額の30%であることと、床上浸水などで損害が生じた場合となります。
具体的な支払い基準は保険会社によって異なり、支払い基準に達していなければ水災補償に加入していても補償が受けられないのです。
水災補償で補償される範囲は?
前述のとおり、火災保険の水災補償に加入している場合でも、補償の対象外になることがあります。
また、事前に被害が予測できる原因があるのに放置して、被害を受けたという場合は、火災保険の補償の対象外となってしまいます。
水災補償は、水災によって起こった被害なら無条件で補償するというわけではないので、補償を受けられないケースもあります。
例えば、地震が原因で津波や土砂崩れ、液状化現象などが起こって損害を受けた場合や、水漏れや漏水による損害などは、補償の対象外になることがあるのです。
一般的には、補償されるのは45cmを超える浸水か、床上浸水などがあったときに限られます。
浸水しても補償を受けられないケースがあるため、もし被害を受けたときのために、補償範囲を調べておくべきでしょう。
地震が原因で、土砂災害や水害などの災害が起こって被害を受けてしまった場合は、火災保険では補償を受けられないケースがあります。
地震が原因の場合は地震保険の対象なので、地震によって起こる災害に備えるのであれば、地震保険に加入する必要があるのです。
水濡れや漏水による被害も水災補償の対象外ですが、火災保険には別途水漏れ補償が定められていることもあります。
給排水設備が詰まって漏水した、マンション・アパートの上の階で漏水があり自宅の家財が被害を受けた場合は、火災保険の水濡れ補償の対象です。
火災保険の水濡れ補償に加入していなければ、同じような被害を受けたときに補償されません。
風災、雹災、雪災に関しては、わざわざオプションの契約をしなくても、基本補償だけで対応できる災害です。
一般的な火災保険の基本補償に含まれている補償で、台風で屋根瓦が飛んでしまった、住宅の一部が壊れたなどのケースがあります。
水災補償の補償対象外ですが、火災保険の基本補償である風災、雹災、雪災補償の対象となるのです。
まとめ
近年、ゲリラ豪雨や大雨などの発生が増えている中、注目されるのが火災保険による水災への補償です。
火災保険は火災に備える保険ですが、水害をはじめとしたさまざまな自然災害も対象となっているため、契約内容によって補償対象は異なっているのです。
契約している火災保険の補償内容によって、補償される範囲や災害などは異なるため、きちんと補償内容を確認しておきましょう。