「5S」とは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」といった5 種類の実施事項を示しています。1990年代には食品工場でも「5S」が取り入れられるようになりましたが、当時の食品工場は日常的に不要物が多く出るため、工業5Sの考えを取り入れる必要があったと言えるでしょう。
5Sの1つである「清潔」とは
清潔を保つには食品に悪影響を及ぼすことのない環境を確保することですが、具体的には異物混入、微生物汚染、化学物質汚染がおこらない環境を整備することです。異常な状況に気が付けるように、混入しにくい環境を作っていくことが必要です。
この「清潔」という部分を確保するためには、「整理」「整頓」「清掃」を実施することになります。
・整理
整理の原則は要らないものや使わないものを捨てることです。捨てるものと捨てないものの線引きを具体化し、場内で使用する備品の個数については明確に確認しておくようにしましょう。
・整頓
物の置き場所や方法、個数などは明確にしましょう。作業中の動きを考慮して、全ての物の置き場所に表示を行い配置を決めるようにしましょう。物がなくなっている場合には一目で見て気が付けるようにすることが必要です。
・清掃
清掃不足で食品に異物混入や化学物質汚染が起きないようにすることが必要です。清掃ルールを決め、文書化して明確にしておきましょう。工場における清掃は、微生物・残渣・アレルゲンの除去、昆虫の発生防止、洗浄剤の残留防止などのような目的で実施されます。
躾とは何をすれば良い?
「躾」という言葉から、どうしても無理にやらせるといったイメージが強くありますが、あくまでも教育訓練だと考えて実施しましょう。
教育を行う上で、教えること、実施させること、そして確認することが必要です。
食品5Sは進化を続けている
食品5Sを機能的に行うために、日々様々な手法が新たに考えられています。食品5Sの概念や考え方について、見直す動きも出てきています。
その1つとして食品衛生7Sが挙げられます。清掃という1つのくくりにせず、清掃に「洗浄」「殺菌」を合わせて目的や手法を明確にしています。
異物混入を防止するだけでなく、微生物汚染防止も確実に達成することを目指すものとしています。
会社に根付かせることでスムーズな事業活動を可能に
5Sは衛生管理の1つの手法ですので、円滑に事業を運営するためにも上手く活用していくようにしましょう。
5Sをしっかりと会社に根付かせていくことにより、社内コミュニケーションを円滑にすることにも繋がります。
経営者から現場まで一丸となった事業活動を可能としていけるでしょう。会社に根付いた5S活動に挑戦してみましょう。