日本の製造業は、多様なリスクが同時に、そして複合的に発生しています。
製造業での特有のリスクだけでも、工場内での対人や対物事故や機械との接触によるケガのリスク、それら設備の火災リスク、製造した製品や商品の生産物リスク、従業員のうつ・過労のリスクなど様々です。
どのような保険に加入しリスクヘッジしていくかは、事業の内容によって異なるため自社に合う内容の保険を選択することが必要です。
動産総合保険
偶然な事故で動産に生じた損害に対して保険の対象となります。引受方法として、美術品や宝石・貴金属などそれぞれを保険の目的とする方法、リース業者のリース物件や流通過程での商品や在庫品を包括的に引受ける方法などがあります。
企業が所有、もしくは使用する営業用什器や備品の、保管・輸送中の危険を回避するための保険です。
機械保険
機械設備などの操作を従業員が誤ったことによる電気的事故や、他物の落下などの偶然な事故で損害を受けた場合の修理費用を補償する保険です。
ITリスク保険
火災や落雷、不正アクセスやウイルス感染といった偶発的な事故でコンピュータ等が損傷を受け、データ消失により修復や再作成が必要になった際の費用を補償する保険です。
特約を付帯することにより、ネットワークの停止に伴う売上減少や営業継続の費用、顧客・取引先等への業務停止による経済的損失、プライバシーや名誉信用毀損、賠償責任なども補償されます。
他にもIT関連などの補償として、コンピュータ総合保険や個人情報保護保険などがあります。
店舗休業保険
店舗や作業場などが火災や落雷、破裂・爆発、水災、隣接事故など偶然な事故で損害を被った場合、または取引き先の供給が中断し営業が休止したことによる利益減少について保険金が支払われる保険です。
リコール保険
食品や飲料品、医薬品の製造業者、それら販売業者向けの保険で、リコール対象となった商品を回収するための費用や代替品の製造費用、信頼回復にかかる広告費用、営業利益の減少について補償する保険です。
生産物賠償責任(PL保険)
生産もしくは販売した生産物が他人に渡された後の生産物、もしくは作業が終了した後の仕事や作業の結果によって発生した人身・物損事故に対する賠償責任について保険金が支払われる保険です。
施設所有管理者賠償責任保険
工場や事務所、店舗などの施設の構造上の欠陥や管理不備で偶発的な事故が起きた場合、もしくは施設内外での業務で偶発的な事故が起きた場合の賠償責任に対する補償を行う保険です。
会社役員賠償責任保険
会社役員が役員としての業務を行った行為により、損害賠償請求を受けた際の補償を行う保険です。訴訟費用や損害賠償金、弁護士費用などの経済的損害が保険金として支払われます。
加入すべき保険の選択を誤らないこと
代表的な保険種類をとりあげてみましたが、実際にはこの他にも製造業が加入しておくと良い保険は多種多様に存在していますので事業の内容によって選択していく必要があります。
まずは自社が抱えているリスクを洗い出し、どの部分に対して備えるべきかを検討するようにしましょう。