企業の経営には、様々なリスクが付いてまわります。
多岐に渡るリスクに対して何ら対策をしないままでいると、いずれそのリスクが対処できない状態となり、経営にも支障が出るようになるでしょう。
まずは企業リスクにどのようなものがあるのかを知り、それらのリスクに対応できるよう備えておきましょう。
企業リスクとは?
企業が抱えるリスクには、様々なものがあります。
例えば、災害や事故もリスクとなりますし、訴訟や犯罪被害などのリスクもあります。
また、事業に関係する制度が改正されるリスクや、株価や為替の変動なども考えられるでしょう。
これ以外にも、数えきれないリスクがありますが、そのすべてのリスクを心配しながら企業経営をするというのはまず不可能です。
それぞれのリスクが生じる可能性を考えながら、優先順位を付けて対応を考える必要があるでしょう。
しかし、リスクが起こる可能性というのはその時々に応じて常に変化していきます。
その変化に対応して、優先順位も変化させていかなくてはならないのです。
こうしたリスクに対して、どう対処していくのかをあらかじめ考えて手を打っておくことをリスクマネジメントといいます。
状況に応じて変化しやすい企業リスクとしては、新技術の開発およびその導入や、制度の変更、高度情報システムの活用、社会の国際化などが考えられます。
その中には、マイナスの要因となる純粋リスクばかりではなく、場合によってはプラスにもなり得る投機的リスクもあります。
これまでのリスクマネジメントでは、主に純粋リスクを対象としていることが多かったのですが、実際には投機的リスクもリスクであることに違いはないので、こちらも含めてリスクマネジメントの対象とするべきでしょう。
純粋リスクと投機的リスク
それでは、純粋リスクと投機的リスクにはどのようなものがあるのでしょうか?
それぞれのリスクに分類される、代表的なリスクについて考えてみましょう。
まず、完全にマイナスといえる純粋リスクに含まれるのは、主に災害などの偶発的な事故、および人為的なミスを要因としたリスクなどが含まれます。
これらのリスクは、損失が生じる機会であり利益にはつながらないという特徴があります。
これに分類されるのは、災害、事故、盗難等によって建物や財産の損失が生じる財産リスクが代表的です。
また、それに伴って事業を継続できなくなるリスクや、収益の減少につながるというリスクが生じることもあります。
他にも、経営者及び従業員が病気、もしくは死亡することによる人的リスクや、人為的ミスから賠償責任が生じてしまうリスクなども純粋リスクに分類されます。
こうした純粋リスクに対するリスクマネジメントを行うのが、最初の段階となるでしょう。
純粋リスクとは異なり、プラスになる一面もある投機的リスクは、主に環境の変化によって生じるリスクが該当します。
このリスクの内容によって、企業は利益を得ることもあれば損失を被ることもあるでしょう。
投機的リスクの代表的なものとしては、景気や金利、為替などの変動によるリスクです。
こうしたリスクには、政権交代や規制緩和など政治面での変動リスクも同時に生じることがあります。
税制や条例などの法的規制が変更されることで生じるリスクや、新技術の登場や特許によって技術的な情勢が変動することで生じるリスクなども、投機的リスクに分類されます。
いずれも、その対応次第でプラスにもなればマイナスにもなり得るでしょう。
投機的リスクは、純粋リスクよりも優先度は低いものの、放置しておいていい物ではありません。
段階的にリスクマネジメントをしていきましょう。
まとめ
企業の経営には様々なリスクが生じるものですが、それらに対処するべくリスクマネジメントはしっかりと考えておく必要があります。
リスクへの対処が不十分だと、企業は大きなダメージを受けることがあるので、純粋リスクはもちろんのこと、プラスになる可能性もある投機的リスクにもしっかりと対処しておきましょう。
そのためには、まずリスクを分類して優先順位を決めるところから始めましょう。