企業は様々なリスクを抱えていますので、その事態に応じた対策を行っていく必要があります。
リスクを分析し、そして評価するプロセスの中で順位付けを行い、優先順位に基づいて対策を進めていくことになるでしょう。
リスクの調査分析からどう処理していく?
リスクを分析する際には、まず各リスクがどういったリスクに分類されるかを考えてからどう対策していけば良いかを考えていく必要があります。
リスクの処理としてはリスクコントロール、そしてリスクファイナンシングがあります。
リスクコントロールは事前と事後の2つの対策方法があり、事前対策は契約書や設計書を見直すこと、事後対策としては訴訟対策などがあります。
リスクファイナンシングは損害によって発生する経済的損失を補う資金繰り手法です。
リスク対策の種類
実行していくリスク対策の内容は、大きく分類すると回避、低減、軽減、容認の4つに分けることができます。
・リスクの回避
リスクの頻度や強度が大きいことが予想される場合には活動自体を行わないことがリスクの回避です。
発生確率や発生した時の影響度が容認できないレベルであれば、その事業などを実行することを取りやめるという手を打つことになります。
たとえば海外に製品を輸出した場合にPL訴訟を提起されると対応ができないので輸出を取りやめること、大口取引先の債務不履行リスクが高くなったため取引をやめるといったことです。
・リスクの低減
損害の発生確率を下げることや、発生した時に受ける影響を少なくするといった対策がリスクの低減です。
建物の耐火や耐震補強も該当しますし、労災事故を防止するための防災訓練や安全衛生講習、機械の定期点検を実施し災害予防もリスク低減の対策としてあげられます。
・リスクの転嫁
損害の強度を弱くするための策で、例えばリースや下請け契約で生じる損失や法的責任を保険によって他社に移転する移転対策や、本社機能を分割して支社や工場に分散させるといった被害を軽減する分離対策があります。
リスク転嫁の対策を実行するには、それなりのコストが必要になるということも理解しておきましょう。
・リスクの容認
それほど影響を受けることのない小さいリスクは、コントロールすることなく保有するのも対策の1つです。
企業が抱えるリスクを軽減するために
まずは何がリスクなのかを事前に認識し識別すること、そして発生する可能性があるリスクは事前に評価して発生確率を下げる対策をとり、万が一発生した場合にもそれによる影響を抑えることがリスクの軽減と言えます。
定期的に状況確認を行いながら、落とし穴はないか事前に気がつくことができる体制を整備することも大切です。