消費増税後からしばらく経ちますが、みなさんの生活に大きな変化はあったでしょうか?
例えば、大きな買い物を控える傾向になったかもしれません。
さらに、私たちの消費は日常生活だけでなく、中小企業の経営にも影響しているってご存知ですか?
今回は、消費増税による中小企業への影響を見てみましょう。
消費者の「節約」から見える企業の倒産
消費税の増税が実施されてから、消費者の消費行動はどうなったのでしょうか?
個人レベルで考えると、買い物を控えた、外食に行く回数を減らすようにしたという内容が挙げられるかもしれません。
ところが、それが1人だけでなく、大人数の行動として表れた場合を考えてみて下さい。
実は、増税の影響で、消費を積極的に行うより節約する傾向が、消費者に見られるようになりました。
その結果、中小企業の中には利益が得られず、倒産してしまったという所も少なくありません。
経営が厳しい、倒産してしまったという中小企業の業種としては、例えば小売業や飲食店が挙げられるでしょう。
これらの業種は、お客さんが買い物をしてくれないと、利益が出ないものになりますよね。
実は、倒産数は増税をきっかけに大きくなっていると言えます。
一例として、東京商工リサーチが行った全国企業倒産数の調査、2019年11月分の結果を見てみましょう。
前年の11月の件数と比較すると、なんと倒産数が1.4%増加しているそうです。
つまり、この結果は、増税が大きな影響として関わっていることの証明になりますよね。
また、倒産の際の負債額の割合においては、7割以上が1億円未満の負債を抱えての倒産になりますから、単なる経営上の問題では片づけられません。
このように、中小企業の経営状態の悪化や倒産は、消費者の消費行動に影響されたものだと言うことができるでしょう。
日常生活への打撃は、中小企業の経営にも繋がっていることが分かりますよね。
中小企業にとって消費行動は命綱
中小企業は、大企業のように資金面での大きな基盤がないところが多いです。
そのため、業種に関わらず、私たち消費者の消費行動がとても重要になってきますので、本来ならば消費行動を積極的に起こして欲しいところになるでしょう。
しかし、増税の影響により、結果として消費は控えるような傾向が見られました。
本来、政治で議論されていた状況とは、大きなギャップが生じてしまったと考えることができるでしょう。
つまり、中小企業にとっての命綱を、安易に切ってしまったのです。
その後、どう経営を立て直すのかは、中小企業任せになっていますから、経営者も困ってしまいますよね。
そもそも増税がなかったら…と考えると、中小企業の未来も違っていたかもしれません。
先程ご紹介した調査のデータは、2019年11月の内容になりますが、このままのペースで行くと、倒産数は昨年よりも増えることになりますよね。
もちろん、増税の影響以外にも、倒産のきっかけになった要因はたくさんありますから、各中小企業によって事情は違っているでしょう。
しかし、原因の1つになることは変わりません。
経営者にとって厳しい状況は、これからも続くことになるでしょう。
その中で、働き方改革や人材の確保等、様々な問題や取り組みを行っていかなければなりませんので、組織自体が疲弊してしまうことも否めませんよね。
本当の意味での経済の回復は、日本経済を回している中小企業の存在を無くしては語れません。
そして、中小企業の倒産は、私たちの生活にも確実に影響してきます。
経済の土台となっている中小企業の扱いを、軽んじていいのでしょうか?
考え直すべき時がきています。
参考URL MONEYVOICE
(https://www.mag2.com/p/money/858277)
東京商工リサーチ
(https://www.tsr-net.co.jp/news/status/)
まとめ
中小企業の倒産は、増税をきっかけに増えています。
この問題は、経営者や従業員が困るというだけに留まらず、みなさんの日常生活にも直結してきますから、消費行動とセットになっていると言えるでしょう。
今回の結果は、政治家が思い描くビジョンと現実がマッチしておらず、かえって悪い方向に進んでいるとしか考えられません。
増税が与えた影響は、大きな傷跡になることがはっきりしているかもしれませんね。