リスクマネジメントとは企業を経営する上で発生するリスクに対して、なるべくコストを下げて防止や適切な処理を実施し、被害や損失を最小限に抑えることができるように調整していくことです。
リスクマネジメントの目的
リスクに対する被害や損失を抑えることがリスクマネジメントの目的ですが、最終的な目的といえるものは倒産防止です。
災害や事故はいつ起こるかわかりませんし、そのようなリスクについてを完全に把握することは難しいでしょう。
しかしリスクが発生した場合には、それまで計画していた利益は見込めなくなってしまい緊急的な費用の発生で資金に損失を生じることもあります。
リスクマネジメントは経営管理のひとつ
損害賠償などの費用の損失だけにおさまらず、人的・物的損失、信用の失墜というように被害は拡大される可能性もあります。
そのためリスクが発生した場合、企業経営に影響を与えないような策を実施することが重要になります。
しかし、生産、販売、財務、労務についての管理は様々な企業で展開されていますが、リスクマネジメントを実施しているのは少数の企業にとどまっている状態です。
まずは潜在リスクの発見から
企業が直面するリスクは、財産損失、収入減少、賠償責任、人的損失、ビジネスリスクの5種類に分類できます。
企業内にはどのようなリスクが潜んでいるのかを確認し、損失生起要因と拡大要因は何かについての潜在リスクの洗い出しを行います。
過去の損失記録や文書だけでは発見できない現場の状況などを目で見て確認し、第一線の担当者からリスクになりそうなものの報告を受けて情報を収集していきます。
基盤となるのはリスクコントロールとリスクファイナンス
潜在リスクの洗い出しが終わったら次にそのリスクについて分析をしていきます。
リスクによる損失の発生頻度や強度の測定を行ってどのくらいの影響があるかを評価し、リスクコントロールとリスクファイナンスを行います。
リスクコントロールとは、発見して分析されたリスクを、除去または軽減できるための対策を立てていくことがリスクコントロールです。
事故が発生する前に実施する対策に重点を置いて、リスクを除去、軽減していけるようにします。
リスクファイナンスとはリスクコントロールしたにもかかわらず発生したリスクに対して、最小のコストで最大の効果をあげるための対策です。
リスクマネジメントの評価と見直しも必要
リスク処理を実行したことでどのくらい成果があったかを監視し評価しましょう。
コストが予定していたよりも高かった場合や、処理効果が得られていない場合にはリスクコントロールとリスクファイナンスの方法を見直す必要があります。
著しい経営環境の変化によって新しいリスクが次々に発生する場合には、リスクマネジメントを実施するサイクルの中で常に新しいリスクに対応できる体制を構築していくことも必要となります。