法人が加入しておくべき賠償責任保険とは?

法人が抱える賠償責任に対するリスクとは、他人の身体や財産などに損害を与え法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害のことを言います。

賠償責任保険は被保険者が偶然な事故で第三者に損害を与えた際に法律上の損害賠償責任を負った損害をカバーするための保険です。

まずは賠償責任を負うことになるリスクにはどのようなものがあるかを理解しておきましょう。

使用者が負うことになる責任

従業員が勤務中に第三者に損害を与えた場合、使用者がその賠償責任を負いますが、使用者が充分に注意義務を果たしていた場合に従業員の不法行為によるものの場合には、使用者が従業員に対して賠償責任を追求することになります。

注文者が抱える責任

仕事の注文者は請負人と雇用関係にありませんので使用者責任は発生しませんが、注文に過失がある場合には請負人の第三者に対する賠償責任を負うことになります。

土地工作物に対する責任

土地の工作物の設置もしくは保存に瑕疵があることが原因で、第三者に損害を与えた場合には占有者が被害者に対して賠償責任を負うことになります。

占有者に過失がなく注意義務も果たしているといったケースでは、今度は所有者が被害者に対して賠償責任を負うことになります。

動物占有者の責任

ペットや家畜など、動物が第三者に損害を与えた場合では動物の管理者が責任を負うことになります。

製造者の責任

製品に欠陥があった場合には、欠陥を要件とする無過失責任原則に基づいて、被害者が過失を立証するだけで製造者は賠償責任を負わなければなりません。

これはPL法が施行されたことによるもので、被害者の権利として次の3つの証明がされれば製造者は過失の有無に関係なく損害賠償責任を負うことになります。

・損害の発生の証明
・製品の欠陥の証明
・損害発生と製品欠陥の因果関係の証明

PL法については、アジア各地でも施行されていますので世界各国で欠陥責任の追求を行う権利が充たされている状態であると言えるでしょう。

法人が加入しておくべき賠償責任保険とは?

賠償責任保険は損害賠償責任をカバーするための保険ですが、賠償責任の分類ごとに様々な種類に分けられています。

例えば施設の所有や使用、管理に起因する損害賠償などを補填する施設賠償責任保険や、請負工事や点検業務などの遂行に起因する損害賠償を補填する請負業者賠償責任保険、向上で生産や組み立てなど生産活動の結果などに起因する損害賠償責任をカバーする生産物賠償責任保険などがあります。

他にも受託者賠償責任保険、使用者賠償責任保険、会社役員賠償責任保険、個人情報漏えい保険など色々な種類の賠償責任保険が存在します。

まずは法人がどのようなリスクを抱え、何について備えておく必要があるかを確認し、もしもの事態のために加入しておくようにしましょう。