建設業:中小建設業の経営を安定したものにするために

建設業は多くの人が携わる業種ですが、不況業種と言われています。その理由として、公共事業の縮小、大手ゼネコンの業績悪化などの影響などがあげられます。中小建設業にとっては厳しい経営環境が続くかもしれません。

経営者の悩みは3つに絞られる?
経営者は受注や売上、下請業者、資金繰りの3つに対して悩みを抱えていることが多いようです。
中小建設業の多くは大手ゼネコンの下請もしくは孫請として仕事をすることが多く、受注や売上はゼネコンの割り振りなどの影響を大きく受けてしまいます。
一つの仕事を多くの業者が取り合う形になるため、単価の安い業者が選ばれてしまう状況になってしまうでしょう。この低価格競争によって、請け負った仕事の単価が安くなってしまう可能性があります。
一定の利益率を確保することができる工事を受注できるがどうかが問題になるでしょう。
良い下請と繋がれるか
中小建設業のみで受注した工事を行うところはあまりなく、下請業者へと外注しているところが多いと思います。
しかし下請業者の管理や監督も必要になるため、手間や時間がかかる上に下請業者のミスのフォローも行わなくてはいけません。
もしミスがあれば、お金がかかるだけでなく元請業者からの信用を失うことにもなりかねないことから、信頼できる下請業者との関係を築けるかが問題になります。
資金繰りの問題も
粗利益率が低い上に建設業の場合お金の流れが独特です。特に手形は末締めの翌月末決済となる上に、大手ゼネコンの手形なら金融機関が割ってくれても割引料を引かれます。
中小建設業の場合、立替先払いが発生するなど資金繰りに苦労することも多いようです。元請からの入金の遅延や、出来高を削られることで入金額が少なくなれば影響は下請業者や孫請業者というように連鎖し資金繰りに行き詰まってくる業者も出てきます。
経営を安定させるために
中小建設業の経営者ではどんぶり勘定で行っているケースもあるようですが、現場損益と違う結果が出る可能性もあります。
正確に財務を把握することが重要となりますので、日常経理もしっかりと行うことが必要です。
長期的な経営戦略を
経営における重要な原則はマネジメントサイクルを確立させることと言えます。計画、実行、検証、改善という1つの流れを繰り返すことで、継続的に成長していくことができると考えられます。
試みたものの、上手くいかずにやめてしまったという取り組みでは意味がありません。成功させるためには、マネジメントサイクルを繰り返して向上していくことが必要です。
長期に渡ってサイクルを実行していくためには、経営者のリーダーシップが必要不可欠です。長期・中期・短期、会社全体・部門ごと・個人ごと、という視点でマネジメントサイクルを確立していき実践していきましょう。